TOPレースレポート>2009.05.23~24 MFJ 全日本ロードレース選手権シリーズ第3戦 スーパーバイク in 九州

MFJ 全日本ロードレース選手権シリーズ第3戦 スーパーバイク in 九州


 4月の開幕戦から約1ヶ月。今回の舞台は大分県日田市のオートポリス。このサーキットは雄大な阿蘇の山に囲まれた素晴らしいロケーションにある。今回はアジアロードレース選手権との併催もあり九州の熱いバイクファンが多く集まって盛り上がりを見せた。

オートポリスサーキット(4.674km)
5/23(土) 公式予選
5/24(日) 決勝レース                        決勝日来場観客数 18,730人

予選
天候:晴れ コースコンディション:ドライ

 事前テストの結果からハイレベルで僅差の予選が予想された。
今回の予選は1回のみ。レギュレーションでは予選、決勝朝のウォームアップ、決勝を通じて使えるドライ用タイヤは2セット。決勝用に1セットを温存すれば予選は1セットでのアタックとなる。予選時間は40分間あるものの、1セットのタイヤでは前半が勝負となる。
 昨年の決勝中に1'57.767のファステストラップを記録した寺本はオートポリスを得意としていた。予選開始から寺本は感触を確かめつつ周回し3周目には1'57.722のタイムを出す。そのままほぼ同様のタイムで走り続けたが、タイムアップを目指しピットイン。調整をしてコースインし再び気迫のこもったライディングでアタックをするも、そのタイムを上回るまでには至らなかった。
 九州出身の出口は、このコースをとても気に入っていた。コースイン4周目早々に1'57.776を出し昨年の自己タイムを上回る。さらに速いタイムを求めて、走りながら自分のライディングを、マシンを分析していく。ピットに戻りセッティングに変更を加えトライを繰り返す。変更により改善される部分もあるが、異なるネガな点も現れ1周トータルでのタイムアップとはいかず、前半のタイムを越えるラップタイムを刻む事は出来なかった。
 深津は事前のテストで初めてオートポリスを走行した。起伏があり、その中を左右にコーナリングするジェットコースターの様なこのコースを十分に把握するには時間は短かった。迎えた予選、3周目に2'00.720のタイムを出すがそれ以上はタイムが詰まらず徐々に落ち始める。しかし残り約10分で気合を入れ直しラストアタックをかけ再びそのタイムに近づくもののあと少し上回れない。結果3周目がベストとなり決勝進出には僅か0.2秒届かなかった。
 昨年のレースでは数名のライダーが1'57秒台だったが、今回トップは1'55秒台に入り1'56秒台と1'57秒台のライダーをあわせると20人以上というレベルの高い予選となった。

決勝/16ラップ
天候:晴れのちくもり コースコンディション:ドライ

 出口、寺本は予選の結果をもとに、より高いポジションを狙いセッティングを変更して決勝朝のウォームアップに臨んだ。その後さらに入念に考えた仕様で決勝を迎える。
 寺本はスタートすると、1周目の大勢の集団の中でうまく前に出て11位とポジションを4つ上げ2週目に入る。しかし集団も少しずつ間隔が広がりだすと高いレベルの一進一退の争いとなる。寺本は前を追い、後を引き離そうとペースを上げる。しかし寺本の気持ちとバイクのバランスは次第にずれ始め3周目に2台、4周目にも2台にかわされ15位に下がってしまう。それでも必死に気持ちでライディングしていた8周目、何とか追い抜きに掛かるがハイサイドで痛恨の転倒。幸い怪我はなく、すぐに車体を起すもマシンの破損から再スタートは出来ずリタイヤとなってしまう。
 幾多の方法で改善をしてきた出口だったが、100%思うようなマシンコントロールが出来ずにポジションを上げられないでいた。後から来たライダーが容赦なく出口を攻め立てる。出口も抑えようと努力するが結果的にはかわされてしまう。すると今度はかわされたライダーに喰らい付こうと出口は懸命にマシンを走らせる。諦める事の無い熱い気持ちと、冷静な判断力で僅かでも前に進もうとしながら走り続けた。そしてチェッカーが振られると結果はスタートから2つ上の17位でのフィニッシュとなった。
 レースは予選同様ハイレベルな展開となりコースレコードも更新された。レース後チームは上位争い出来るレベルアップを求め現状の課題をより深く見つめ直し、新たな視点からの取り組みを進める。

 次戦はマシンをGSX-R1000にスイッチし6/14(日)の鈴鹿300km耐久、7/26(日)の鈴鹿8時間耐久ロードレースへ参戦します。ライダーは600同様に出口と寺本。夏の耐久レースを熱く走り抜け、その勢いで全日本ロードレース後半戦へと挑みます。

 ST600クラスは宮城県 スポーツランド菅生にて8/30(日) 第4戦の決勝レース開催。

#11 寺本コメント
予選:15位
 フロントに違和感があり、どうしても攻めきれませんでした。決勝はうまくスタートを決めて追い上げたいと思います。

決勝:リタイヤ
 スタートはあまり良くありませんでしたが、1周目は大きな接触もなくうまく前に出る事が出来ました。しかしマシンが思うように曲がってくれずに苦戦しました。それでも曲がるようにライディングを調整しながらのレースでしたが、第1ヘアピンの立ち上がりでハイサイド転倒してしまいました。オートポリスは得意なサーキットだったので残念です。
 次はJSB1000での鈴鹿300km耐久なので気持ちを切り替えて頑張りたいと思います。

 

#8 出口コメント
予選:19位
 今一歩タイムを上げれませんでしたが決勝への課題も掴めたので頑張ります。

決勝:17位
 スタート後の集団の中で一度ポジションを下げてしまいましたが、接触も無くうまくもとの順位にまで戻すことが出来ました。前半はフィーリングも良かったのですが、後半になると課題の部分がやはり出てしまい我慢のレース展開のまま終わってしまいました。地元九州の好きなコースでのレースだったのでとても残念です。応援に来て頂いた方々には申し訳無いです。
 次の鈴鹿300kmと8耐では寺本選手と共に表彰台を目指し、いい流れで600の後半戦に臨みたいです。

 

#33 深津コメント
予選:45位
 応援して頂いた方に申し訳無い気持ちです。もっとGSX-Rの良い所を引き出せるライディングが出来るように練習します!
その為に何をすべきかを考えて実行していこうと思ってます。これから次回のレースまでの3カ月絶対に後悔しないように頑張ります。


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