という事で、今回はその昔プロトで販売していたマフラー プロト式消音器 スーパーサウンド 【SUPERSOUND】について振り返ってみたいと思います。
Q:そもそもなぜスーパーサウンドは誕生したのか?
A:それはスーパートラップの欠点を改良すべく誕生しました。
もともとプロトはスーパートラップの輸入代理店でした。アメリカ本国に設定のない車種については国内専用モデルを開発し販売も好調でした。 それなのになぜ?
それは日本市場向けた、より安心・安全・快適な製品の実現のためスーパートラップに対し度重なる改善交渉をし続けていたのですが、そこはさすがアメリカ企業、こちらの要望には全く応じてもらえず。このままではいけないという事で、ついに思い切ってスーパートラップとは決別する事に。そして自社製オリジナル スーパーサウンドマフラーの開発へと至り、ついに2001年(平成13年)春にリリースされたのです。
当時の価格は、スリップオンの仕様で19,800円(税抜)この時は消費税が5%だったので20,790円(税込)から、そしてフルエキゾーストの仕様では29,800円(税抜)/ 31,290円(税込)からの設定でした。
ちなみに、この時代の人気車種は
FTR223 FUSION FORZA APE50 ZOOMER TW200 SR400 MAJESTY などなど
ちょうどFORZAやAPE50、ZOOMERがデビューしたのもこの年でしたね。
そうそう。そういえば上記の2台はホンダさんのNプロジェクトからリリースされた車両達で、第1弾がエイプ、第2弾がズーマー、そして翌年に第3弾のバイト、更に2年後に第4弾のソロ、第5弾のPS250へと続き、数々の個性的なモデルが世に送り出されたんですよね。
スーパーサウンドの概要
実はこのスーパーサウンド/SUPERSOUNDという呼称は、二輪自動車並びにその部品及び附属品に対して商標登録されているんですよ。
◆サイレンサータイプ
・ミニシリーズ Type A ディスク径82mm
原付クラスの小排気量に最適な容量を確保したアルミ製小型サイレンサー。
・ライトシリース Type A ディスク径95mm
サイレンサーボディにアルミを使用したミドルクラス用軽量サイレンサー ヘアライン仕上げ。
・ライトシリース Type M ディスク径95mm
メガホンタイプのミドルクラス用ステンレスサイレンサー ポリッシュ仕上げ 後に2本出しタイプも追加。
・ライトシリース Type F ディスク径95mm
フレア形状をもつミドルクラス用ステンレスサイレンサー ヘアライン仕上げ 後にポリッシュ仕上げも追加。
・セニアシリーズ Type F ディスク径123mm
ライトシリーズ比で1.8倍の容量を誇り消音と排気効率を追求。ビッグバイクにも対応させた迫力のリアビュー大口径サイレンサー。ヘアライン仕上げ 後にポリッシュ仕上げも追加。
後方排気ディフューザーディスク(実用新案)採用
サイレンサー本体の中心線に対し20度の折れ角を設定した後方排気ディフューザーディスクを開発。厳正な品質管理から生み出されるディスクは精度のバラつきを最小限に抑え、サイレンサーの排気圧を完全にコントロールします。
軽量化と消音性
新開発の異形コアパイプの肉厚を1.2mmに、そしてパンチング径を大径化することで軽量に仕上げました。また、ステンレスガラスウールに特殊処理を施した二重消音材はグラスウールの飛散を防ぎ、格段の消音性を確保しました。
異形コアパイプ ディスクステー
サウンド
ステンレス&グラスウールの二重素材で包み込まれた異形コアパイプと、後方排気ディフューザーディスクの組み合わせが、ヒトの感性に響く心地よいサウンドを実現しました。
パワー
消音性と排気効率という相反する課題をクリアした「スーパーサウンド」は、車種専用設計のステンレスジョイントパイプとの組み合せにより、パワーアップと扱いやすさを実現しました。
耐久性
ディスクステーを別室にする事で、ボルトとグラスウールの焼きつきや、ナットサートの脱落を防止します。
発売当初はコピー品だのパクリ物だとか厳しいお言葉をいただきましたが、スーパートラップとは一味も二味も違うという評判は瞬く間に広まり当時のユーザー様や販売店様の支えによりお陰様であっという間にストリート向け定番マフラーとして支持される事となりました。感謝感謝です。
ディスクの穴形状もプロト独自のアイデアが
トライアングル形状の排気口を交互に組み合わせることで排気圧をさらに細かくコントロールし、車種毎に優れた排気効率と消音性を実現させていました。
こんなオプションエンドキャップまでも設定
そして時は流れて
その後ビッグスクーターブームも落ち着き始め、新たな法規制の時代に突入。音量だけでなく排ガス規制強化へと移り変わりミドルクラスや小型の二輪車にも純正マフラーに排ガス浄化装置(キャタライザー等)が装着される事になる。その結果コストパフォーマンスの両立と新型車種への対応の厳しさからスーパーサウンドの時代に終わりを迎えることとなりました。もちろん流行が変化していったのも事実なのですが…
今回改めてこの場を借りて当時購入していただいたユーザー様や販売店様には、重ね重ねありがとうございました。また現在も現役で使用しているユーザー様に於いてはリペアパーツの供給はすでに終了しており大変申し訳ございませんが、引き続きご愛用の程よろしくお願い申し上げます。